鰯(イワシ)

紫式部の好物だったイワシ

太古の昔から、イワシは日本人の食卓に欠かせない食材でした。漁獲量が高く、庶民でも手に入れやすかったこと、鮮度落ちが早くて臭みが出やすかったことから、下賤の魚として扱われてきました。
平安時代、下賤な魚であるイワシはあくまでも庶民の食べ物で、貴族が口にする習慣はありませんでした。しかし紫式部はイワシを好んでいて、よく食べていたそうです。ある日、イワシを食べていることが夫に見つかり、叱られたときに、「日の本に はやらせ給ういわしみず まいらぬ人は あらじとぞ思ふ」と詠んで、「こんなおいしいイワシを食べない人がいるなんて信じられない」と表現しています。

イワシの種類

日本では、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの3種を、主にイワシとして取り扱っています。

イワシの漁獲高

マイワシの漁獲高は、昭和の終わりから平成の初めにかけては、400万トン以上を記録し、日本の総漁獲量の4割を占めていました。ところがその後は減り続け、西暦2000年ごろには3万トン前後と、ピーク時の1%になっています。現在は50万トンまで戻していますが、かつてのような大衆魚ではなくなっています。

鰯の特長

DHAとEPA

DHAとEPAはいずれも必須不飽和脂肪酸の一種で、α-リノレン酸を加えてオメガ3と呼ばれています。オメガ3は善玉コレステロールを増やして血液をサラサラにしてくれます。中性脂肪を減らす効果があり、生活習慣病や脳血管疾患、心疾患、さらにはガンの予防に期待ができます。
マグロに多く含まれるDHAですが、 イワシにはDHAとEPAの両方がバランスよく含まれています。

カルシウム

イワシにはカルシウムが多く含まれています。成長期の発育・発達や骨粗しょう症の予防にカルシウムは欠かせない栄養素です。一番効率的にカルシウムを摂取する方法は、イワシの骨も丸ごとに食べること。イワシは、酢や梅と一緒に煮ると、酸の効果で骨が柔らかくなり、一匹まるごと食べることができるようになります。

ビタミンD

カルシウムを多く摂取しても、ビタミンDが足りなければ身体にうまく吸収されません。その点イワシはビタミンDも豊富です。
ビタミンDが不足すると、筋力が衰えたり、カルシウムが体内にうまく吸収されずに骨が弱くなったりします。ビタミンDは野菜や穀物等にはほとんど含まれていないので、イワシで摂取するのは大変効果的です。