ワインの酸化防止剤とは?頭痛の原因になるって本当?

ワインの酸化防止剤とは?頭痛の原因になるって本当?
原料・成分

「ワインを飲むと翌月に頭が痛くなる」「ワインは酸化防止剤が入っているから悪酔いする」などイメージを持たれている人もいるのではないでしょうか。最近では酸化防止剤が入っていない無添加ワインなども日本では販売されています。無添加ワインと一般的なワインは、何が違うのでしょうか?
今回はワインに与える酸化防止剤の影響と無添加ワインについて紹介します。

ワインに入っている酸化防止剤って何?

ほとんどのワインで使用されている酸化防止剤。防腐剤と間違える人もいるようですが、防腐剤ではなく防止剤です。
酸化防止剤と聞くとなんだか薬品のようで体に悪そうと思ってしまうかもしれませんが、ワインに使用されている酸化防止剤は亜硫酸塩という物質でワインには昔から欠かせない存在です。
輸入ワインは、船便で日本に渡ってきますので、酸化防止剤を入れないと品質が持ちません。

亜硫酸塩とは
食品の品質を維持するために食品添加物があります。食品添加物とは、保存料、甘味料、着色料、香料などのことで、食品の製造過程または食品の加工・保存を目的に使用されます。亜硫酸塩は、酸化防止剤と保存料に使われる食品添加物です。油脂の酸化、炭水化物食品での微生物(主に腐敗菌)の繁殖を防止する目的で使用されます。また漂白剤としての機能も持つ食品添加物でもあります。

食品添加物として使用されている亜硫酸塩は下記の5つがあります。

  • 亜硫酸ナトリウム
  • 次亜硫酸ナトリウム
  • 二酸化硫黄
  • ピロ亜硫酸カリウム
  • ピロ亜硫酸ナトリウム

ワインにおける酸化防止剤 (亜硫酸)の役割

ワインに使われている酸化防止剤は、亜硫酸塩類とビタミンCが使われます。亜硫酸塩類は、ピロ亜硫酸カリウム二酸化硫黄に限定され、ビタミンCはL-アスコルビン酸です。
緑茶の材料欄に記載されているビタミンCの正体はL-アスコルビン酸です。

ワインにも裏側のラベルをみてみると、

食品添加物:酸化防止剤(亜硫酸塩)、L-アスコルビン酸
原材料名:酸化防止剤(亜硫酸塩、ビタミンC)

などと表示されています。
食品添加物として、製造工程や加工での使用が認められているということです。

ワインと酸化防止剤の歴史

実は亜硫酸をワインに使うのは、最近の科学の進化によって始まったわけではありません。
数千年前の古代エジプトや古代ローマの時代から亜硫酸はワインに使われてきました。ワインは葡萄を発酵させ作られるので、放置しておくと変色し酸っぱいワインになってしまいます。ワインを美味しく飲むための古くから工夫や技術が今の時代につながっています。

役割1:微生物の活動の抑制

微生物は私たち食生活に欠かせない存在です。パンは酵母、醤油も麹菌、納豆も納豆菌、チーズもカビや乳酸菌、キムチも乳酸菌などの微生物の働きよって、糖などが分解され有益な物質になり、独特の風味をもつ食品になります。微生物によってエサになるもの(分解物)や生成物は異なります。
ワインも糖を酵母のエサにして、アルコールを作らせます。
しかし、好ましくないバクテリアや酵母(酢酸菌など)が増殖すると酸っぱいワインになってしまいます。アルコールの発酵が完了した直後に、酸化防止剤を添加することで、発酵を停止し、酢酸菌の繁殖を防ぎます。

役割2:ワインの酸化防止

赤ワインやコクのある白ワインは、酸化による香りや味の変化を楽しむこともできますよね。
ワインはデリケートで、ワインの成分は、酸素の影響で変化しやすく、酸素に触れることで味や香りが変化します。温度や湿度によっても変化します。そのまま放置してしまうと、作り手が届けたい味をそのまま届けることはできないので、酸化防止剤により、ワイン本来の個性を保った状態で届けることができます。
酸化防止剤のおかげで、魅力的な味のワインを飲めるといっても過言ではないでしょう。

役割3:香り

酸化防止剤(亜硫酸塩)は発酵で生じるアセトアルデヒトと結合し、すでに酸化した状態からの回復もします。さらにアセトアルデヒトは青臭い匂いがあるので、無臭にする作用もあります。

酸化防止剤 (亜硫酸)の使用基準

亜硫酸塩の上限値は食品衛生法で規定されています。日本の食品衛生法第11条の厚生省告示第370号の規格基準において、酸化防止を目的とした亜硫酸塩の上限値は350mg/L以下となっています。

しかし、ヨーロッパにおける基準は、日本の食品衛生法の使用基準より厳密で、少ない数値が規定されています。ビオワインの認証規定はさらに条件は厳しくなります。
ビオワインとは有機栽培のブドウを使って造られたワインのことです。

ワインを飲む頭が痛くなる原因は?

酸化防止剤は、人体に影響を受けることがないよう基準値も設けられ、ワインに含まれている量は人体に影響を与えるレベルではありません。ワインではなく他の食品の方が多く酸化防止剤を含んでいることも多くあります。さらに亜硫酸の半分は、ワインに含まれ他の成分と結合し、無害な状態になります。
それでは、なぜワインを飲むと頭痛がするのでしょうか?

ワインを飲む頭が痛くなる理由

アルコールは体内で分解され、アセトアルデヒトに変わります。
アセトアルデヒドは血管を拡張するので、広がった血管が周りの神経を圧迫し炎症をおこすことで痛み(頭痛)が発生します。
ワイン特に赤ワインが頭痛をもたらすのは、アセトアルデヒト以外にも原因があるのでしょうか。複数の要因が重なって起きることも考えられるでしょう。

亜硫酸アレルギー?

酸化防止剤に含まれる亜硫酸に対するアレルギーではないかという意見もありますが、亜硫酸アレルギーを持つ人はごく少数になります。ドライフルーツや煮豆やかんぴょうやツナ缶、エビ、オリーブなどにも亜硫酸は含まれているので、それらを食べても頭痛が起きないようでしたら亜硫酸という可能性は少ないかもしれません。

チラミン

赤ワインを飲むと頭痛があるという人は、赤ワインに含まれるアミンが原因かもしれません。
赤ワインに含まれる「チラミン」というアミンという物質群の一種。
チラミンは血管を収縮させ、血圧を上昇させることはわかっています。またアミンは、神経系の活性物質としても知られています。
最近ではチラミンを生成しない発酵方法で作られている赤ワインもあるようです。
チラミンが頭痛の原因なのか、確かなことは言えません。

ヒスタミン

ヒスタミンはアレルギー反応を引き起こす物質としても知られています。赤ワインには他の白ワインやビールと比べて多く含まれています。
こちらも確かなことは言えません。

ワインによる頭痛を回避する方法は

最近では添加物を含まない無添加ワインや、ビオワインなどがあります。一般的なワイン、無添加ワイン、ビオワインの中で、どれが優れているかは一概には言えなません。それぞれの商品によるところがあります。
ビオワインの中には、亜硫酸を使わないで作っているものもありますし、亜硫酸の使用基準は一般的なワインに比べて低く設定されています。ビオワインは品質の上でも信頼度の高いワインなので、安心して飲むことができるでしょう。

飲み方にも問題があるかもしれません。ついつい美味しいからハイペースで飲んでしまう人はワインを飲むペースをゆっくりにし、お酒を飲んだ最後にカフェインを飲むようにするといいかもしれません。カフェインには、頭痛を和らげる効果が期待できます。

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