フルマラソンやマラソンで足がつるのを防ぐには?

フルマラソン

46歳になった今もフルマラソンで走り続けるパワフルな長谷川由香さんに、フルマラソンで足が攣るのを防ぐ方法を教えていただきます。フルマラソン以外でも、ジョギングで足がつりやすい人は参考にトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。日頃のオススメの食材やランナーのオススメの芍薬甘草湯からフォームの改善まで幅広く紹介していただいています。

長谷川由香

アメリカの大学の経営学部を卒業後、日本の食品メーカーに勤務する。結婚・出産を機に専業主婦になり、大学生2人、高校生1人の母。
現在は小さな会社を経営の傍で、子育て支援のNPO活動も20年継続している。
30代始めのころ、仕事や育児のストレスから体調を崩した末に、ランニングと出会う。
生活の中に運動を取り入れ、健康に意識を向けたことで、体調もメンタルも安定。以来、10年にわたって、毎年フルマラソンやハーフマラソンを走る。健康を味方につけて、せまりくる更年期をうまく乗り切るのが目下の目標。46歳まだまだ走ります!


フルマラソンを完走するにあたって大きな敵となるのが、足のつり。私も折り返し地点の20キロ付近までは軽快に走れていたのに、レース終盤で足が痙攣して、大幅なペースダウンになったり、立ち止まらざるを得なくなったりした経験が何度かあります。
そこまで順調に走ってきただけに、痛みとタイムロスで恨めしい気持ちになりますよね。
万全のコンディションで最後まで走り切れるように、今回はマラソンの最中に脚がつってしまう理由と対策方法についてお伝えしていきます。

フルマラソン中に足がつってしまう理由は何でしょうか?

理由1.練習不足・走りこみ不足

マラソン中に足がつってしまう理由として、まず第一に考えられるのが練習不足です。
レース本番まで、どのくらいの距離を練習で走ったでしょうか?「仕事が忙しくて…」「寒さで(暑さで)あまり走る気になれなくて…」などそれぞれ事情があると思います。

しかし、練習不足のまま本番を迎えるとレース途中で足がつる可能性が非常に高まります。練習不足・筋力不足は、足のつりに真っ先に直結します。

42キロは決して短い距離ではありません。普段5~10キロ程度のみのランニングなのに、いきなりフルマラソンを走ったら、長い距離を走ることに慣れていない足が途中で悲鳴をあげてしまいます。

フルマラソンの2~3ヶ月前からは、練習時間を優先的に確保するようにしましょう。

理由2.水分不足・ミネラル不足

フルマラソンのレース中は、たくさんの汗をかきます。発汗によって体内から失われるのは、水分とミネラル

水分が不足すると、血行が悪くなって足の筋肉に悪影響を及ぼします。
またミネラルが不足すると、筋肉がうまく収縮せず、硬直しやすくなります。

これらを防ぐには、水分やミネラル分をレース前とレース中にしっかり摂取することが大切です。

足つり対策のために、スタート前には必ずバナナを食べるというランナーもいます。レース中はこまめにスポーツドリンクを飲んで、水分とミネラルを補給しましょう。喉が渇いてからでは遅いので、ドリンクエイドを通過するごとに、摂取するのがポイントです。

理由3.走り方(フォーム)に問題あり

足がつってしまう理由のひとつにフォームの問題があります。

もともとスポーツが得意な人は、ストライドを大きくとり、アスファルトを強く蹴って走るフォームになりがち。しかし、これはあくまで短距離向きの走り方

長い距離を走るときには、できるだけ身体の負担を減らして、エコで長持ちする走り方を心がける必要があります。

ぴょんぴょんと飛び跳ねる走り方をしているランナーのみなさん、長距離向きのフォームに改善して、足のつりを軽減しましょう。

足がつりにくくなる長距離向きの走り方

  • ストライドを短めにとるピッチ走法を心がける
  • ふくらはぎではなく、お尻や腿といった大きな筋肉を利用して走る
  • 下半身だけではなく、上半身の特に肩甲骨を大きく動かすことを意識して走る
  • 背筋をまっすぐに保ち、体の左右どちらかに余計な力がかからないようにする
  • 一定のペースを保ち、不必要にペースを上げたり下げたりしない

つらない足にするための準備で心がけていることは何でしょうか?

ポイント1.サポート力のあるタイツを着用すること

ふくらはぎから太もも、腰まで、下半身をしっかりサポートするタイツを履くことで、走りにブレが少なくなり、足のつりを防いでくれます。


各スポーツ用品メーカーからは、筋肉を効率よく動かすことができたり、疲労を軽減させてくれたりする機能を持ったタイツが発売されているので、要チェック。
着圧機能がついていて、血流を促進してくれるタイツは、元気な足で42キロ走り切るための大きな味方になってくれることでしょう。

ポイント2.「芍薬甘草湯」はランナーにおすすめの漢方を利用する

足がつりやすいランナーの間で人気の漢方薬といえば、「芍薬甘草湯」です。この漢方、もともとは高齢者の就寝時の足つりを予防するものなのですが、「これを飲んでおくと、ゴールまで足がつらない!」と多くのランナーに評判です。

芍薬甘草湯

お医者さんに伺ったところ、「足のつりには確実に効き目があるから、レース前に飲んでおくといいですよ」とのことでした。
効果の高さは人によって違うかもしれませんが、足つりで悩むランナーは試してみる価値ありです。

ポイント3.練習をしっかりしておくこと

「マラソン中に足がつってしまう理由」のところでも書きましたが、練習不足がレース後半の足のつりにつながることは、ほぼ間違いありません。
レース後半での大撃沈を避けるためにも、練習でしっかりと足を作っておきましょう。平日は仕事などの関係で、5キロ走・10キロ走がせいぜいという方は、平日は無理をせず、週末に練習時間を確保しましょう。フルマラソンに向けたロング練習をしておくことで、足つりのリスクはぐっと軽減します。

おすすめ週末練習

  • 20キロジョギング
    1キロ7分程度のゆっくりペースでOK。
    もちろんそれ以上なら、なお可。
    ただし距離の積みすぎによるケガには十分注意。
  • ポイント練習
    インターバル練習やペースアップなど。
    筋肉に刺激を与えて、負荷をかけておくことで、踏ん張れる足を作る。
  • ウォーキング
    ランニングとは違う部分の筋肉が鍛えられる。
    お天気のいい週末に2~3時間程度のウォーキングはおすすめ。

ポイント4.普段から足がつりやすい人は食生活を見直そう

マラソンレース以前に、普段の生活の中ですでに足がつりやすい人もいるのではないでしょうか。そういう方がフルマラソンを走った場合、レース中に足がつるのは当たり前のこと。まずは日々の食生活の見直しが必要です。
例えば、就寝中にこむらがえり(ふくらはぎの痙攣)に襲われることが多い方、少し体を伸ばすとどこかがつってしまう方は、日ごろの食事の栄養バランスを見直してみましょう。
筋肉がつるのは、多くの場合はミネラル不足が原因です。ミネラル不足を解消するには、毎日の食事の中でカルシウムとマグネシウムを多く摂取することが大切。
普段の食生活が整ってこそ、マラソンでもよいパフォーマンスを発揮できるはず。身体は食べ物から作られています。日々の健康のためにも、マラソンで粘れる足を作るためにも、ミネラルをしっかりとって、バランスのよい食生活を心がけましょう。

カルシウムを多く摂取できる食材例
牛乳、小魚、チーズ、ヨーグルト、豆腐、納豆、ひじき、小松菜など
マグネシウムを多く摂取できる食材例
のり、ひじき、わかめ、昆布、豆腐、豆乳、納豆、牡蠣
ごま、アーモンド、ピーナッツ、枝豆、オクラなど

マラソン中に足がつってしまったらどうしたらいいですか?

ゆっくりとストレッチをしよう

もしも走り続けることが難しくなったら、一度立ち止まって、つってしまった場所をゆっくり伸ばしましょう。冷やすのは厳禁です。温めてください。
ストレッチの目的は、硬くなってしまった筋肉を伸ばして、リラックスさせることにあります。力を入れすぎたり急激に動かしたりすると、筋肉を傷めてしまうので、ゆっくり動かすことを心がけてください。
痛みと筋肉のこわばりで、知らない間に歯を食いしばったり、息を止めていることがあります。できるだけ心もリラックスさせて、大きく息を吐きながら、つった足を伸ばすことをおすすめします。

早めに塩分を取ろう

足がつってしまう理由のひとつに、体内のナトリウムが汗で流れてしまうことが挙げられます。

マラソン中は、前触れなしに突然足がつるのではなく、「あ、なんだか足がつりそうな感じ!」と気づく瞬間が必ずあります。そんなときに塩分を摂取することができれば、足のつりをしのげる可能性も大。ランニングポーチの中に、塩あめや塩分補給用のタブレットを準備しておけば安心です。
また、エイドで塩を配っていることも多いので、エイドを通過するときにはしっかり塩分チャージしておきましょう。
同じくエイドでドリンクを飲むさいに、水ではなくスポーツドリンクを選んで、体内の塩分濃度をできるだけ安定した状態で保つことも大切です。
※ちなみに、自分の汗の塩分でナトリウム摂取をするというツワモノもいたりします!

おわりに

つった足を引きずりながらゴールを目指すランナーの姿、マラソンの30キロ地点以降になると、コース上のあちこちで見かけますよね。できることなら、最初から最後まで元気な足のままで走り切りたいもの。事前対策をしっかりとって、晴れやかな笑顔でゴールゲートをくぐりましょう!

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