腸内フローラがなぜ注目されているの?市販の腸内フローラの種類と特長

腸内フローラ

人の腸内フローラとは

私たちの腸内には多種多様な細菌が住んでいます。その数、1,000種1,000兆個以上です。
腸内細菌と呼ばれ、腸の内ですみわけのルールに従いながら、まとまりをもって微生物生態系を構築しています。
腸管で共生している腸内細菌の集まりを腸内フローラと言います。フローラとは花畑のようにまとまりをもっているという意味で、その様子は顕微鏡でのぞいてみても、まるでお花畑のように見えるという理由から、腸内フローラという言葉が定着しました。

腸内フローラの分類は?

腸内フローラの型は、多く存在する常在菌の種類に基づいて3つに分類することができます。
そして、腸にいる3種類の常在菌の比率によって決める腸内フローラの型のことをエンテロタイプと言います。エンテロタイプは、性別や人種に関係なく食生活の影響を受けるという考え方が一般的です。腸にいる菌の比率によって、その人のエンテロタイプが決定します。

人は胎児のあいだは無菌の状態です。そして、お母さんの産道を通過する時に初めて微生物に触れ、産道を通過した後に初めて外の空気に接触し、お母さんからさらに母乳という形でも栄養を授かるようになります。
離乳期頃までにエンテロタイプは形成され、それ以降は変更を受けにくくなっています。

3つのエンテロタイプ(腸型)の紹介

みなさんはどのような細菌を知っていますか?
乳酸菌、納豆菌、大腸菌などはよく耳にすると思います。しかし、これらは腸内フローラでは主要な細菌ではありません。

成人の腸内フローラはバクテロイデスとクロストリディウムの、2つのグループで90%を占めています。

腸内フローラの大半を構成する細菌を常在菌といって、これらの存在が健康に重要であることが知られています。

実際に、実験室で試験管に培養できるのは腸内細菌全体の3割程度といわれています。残りの細菌は試験管内では培養できません。多くの腸内細菌にとって、空気への接触が増殖の妨げになることが理由にあげられます。

つまり、腸の中のような環境を実験室では完全に再現できないということです。そして、常在菌のバランスは3タイプに分類され、これがエンテロタイプ。

(1)バクテロイデス属が多いタイプ

1型は Bacteroides(バクテロイデス)型と言われています。

肉食中心の欧米に多く、アジアには少ないと考えられています。そして、Bifidobacterium (ビフィズス菌)との混合タイプはBB型として細分化されています。バクテロイデスの中には病原性がある菌株もあることから、医学的には全体的に病原細菌として認識されていました。

しかし、肥満者にはバクテロイデスが少ないことや、菌そのものに健康の秘密があることが解明されつつあります。

(2)プレボテラ属が多いタイプ

2型は Prevotella (プレボテラ)型として知られています。炭水化物の摂取が多く、動物性タンパク質の不足の傾向がある人に多く見られる型です。ひえやあわを主食とするアフリカやプルキナファソの子どもに多く見られます。

(3)ルミノコッカス属が多いタイプ

3型 Ruminococcus (ルミノコッカス)型と呼ばれています。日本の子どもの腸内フローラは、他の国の子どもに比べても、大腸菌が少なく、ビフィズス菌が多いことが特徴です。一見、優れたフローラのように見えますが、中にはアレルギーを持つがこどもも多く、感染症を発症しやすいことから、必ずしも良好とは言えません。

どのタイプにおいても個人のエンテロタイプは数年をかけて変化します。
腸内フローラは人がもともと持っているものではなくて、命の誕生から出産や産後の成長にいたるまでに家族から授かったものです。乳幼児期から腸内フローラは本格的に構成されていきます。

腸内フローラがなぜ注目されているの?

現在ではさまざまな研究が進んで、予防医学の観点から人の健康に与える影響が注目されています。

ひとつの例ですが、ある腸内細菌がいないこと原因で発症する疾患では、その細菌を移植する治療も存在しています。

それは、一種類の腸内細菌でも健康に与える影響が大きいということを示しています。腸内細菌の働きは、腸の中で食事などの栄養素や人間の細胞、ほかの微生物とかかわることです。
その結果、健康的に生活をするために必要なものとして様々な分野から世界的に注目されます。

腸内細菌の予防医学で、プロバイティクスやプレバイオティクスという言葉をよく耳にします。
プロバイティクスは健康に良い影響を与える微生物そのものや、それを含む食品や製剤を意味します。
プレバイオティクスは腸内環境を改善し、健康に有益な効果を与える間接的な成分のことです。簡単に言えば、腸内細菌のえさになると宣伝されるものです。

市販の商品に含まれる腸内細菌

ヨーグルトを例にとっても、市販されている商品は地方によって異なります。
なので、全国的に市販されているヨーグルトに含まれる種菌(商品固有の乳酸菌のように、ヨーグルトのもとになる細菌)も異なるので、実際に比較してみます。

  • 森永のビヒダスプレーンヨーグルト
    ビフィズス菌BB536(Bifidobacterium longum BB536)のみをヨーグルト100gあたり20億個
  • 明治のブルガリアヨーグルト
    ブルガリア菌2038株(Lactobacillus bulgarlicus 2038)とサーモフィラス菌1131株 (Streptococcus thermophiles 1131)の2種類の乳酸菌をヨーグルト100gにそれぞれ10憶個、100憶個含んでいます。
  • 雪印メグミルクのナチュレ恵プレーンヨーグルト
    ガゼリ菌SP株(Lactobacillus gasseri SBT2055)を5憶個、ビフィズス菌SP株(Bifidobacterium longum SBT2928)を10億個それぞれヨーグルト100gに含んでいます。

どんな種類の、何種類の乳酸菌が生きている状態で含まれているのかを把握しておくと、健康に必要な種菌を手作りヨーグルトで増やす手がかりになります。

腸への定着を目指した食べ方

どう摂取したら良いのかというポイントを説明します。

異なる菌株を含む商品をサイクルさせながら摂取する事が大切です。例えば、プロバイオティクスヨーグルトなら、同じ種類のプロバイオティクス株を摂らないことです。

自分に必要な種菌を含むプロバイオティクス商品(できれば3種)を食べるようにしましょう。
1週間ごとに商品を変えるとか、その週の体調をよく観察し、その菌株が良かったのか、ローテンションの継続が良かったのかを見極めましょう。自分にとって合う種菌がわかったらそれらを選択的に摂取しましょう。
各社からたくさんヨーグルトメーカーが市販されているほど、手作りヨーグルトは身近にあります。

乳酸菌のような腸内細菌を家庭内で増やすにあたって必要なこと

  • 酸素を避けること
  • 急激な温度変化を与えないこと
  • 清潔な環境を維持すること

菌を酸素にさらす状態が続けは死んでしまい、腸管への定着を目的としている場合は避けなければなりません。容器からとるときも表面から順にとると良いでしょう。

ヨーグルトを深くとると腸内細菌が好む酸素濃度の低い底部に酸素を与えてしまうことになります。容器もできるだけ底面積が狭く、背の高い容器が理想的。

腸内細菌だけではないですが細菌が活発に増殖する温度は人の体温に近い37℃です。種菌を摂取する牛乳や容器も温めておくことがスムーズな増殖のポイントではあります。殺菌もかねて、使用する器具は熱湯処理する方がいいでしょう。

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