原さん一家「美味しい醤油の巻」〜甘草と醤油〜

甘草
原料・成分
お邪魔しまーす。
優一
万里子
あら、どっか行ってきたの?
パパの上司だった人が、3年前だったかしら、退社して田舎くらしを始めたんで、そこにちょっとね。東京都なのに、山の中の限界集落よ。
料子
前も一度行ってるんですけどね、その時は一年も持たないだろうと思ったんですよね。里山の風景だけで何にもなかったもんですから。
優一
お母さん、これお土産。その人の手作りの豆腐と醤油なの。
料子
料一
豆腐と醤油?

醤油豆腐

大豆もご自分で作っていらっしゃるのよ。
料子
料一
そりゃあ、すぐ味見しなちゃあ。優一くん、喉乾いただろうう?母さん、ビール。アテは、冷奴だな。
僕はクルマですから…
優一
料一
免許だったら、料子だってお母さんだって持ってる。ほら、行こう!
万里子
ごめんね、優一さん。ここん家、娘ばっかりだから。ハイ、お豆腐。
料一
おー、大豆の香りがする。で、この醤油をかけて…ん?しょっぱい
やっぱり。でもね、塩分量は変わらないらしいよ。
料子
料一
塩気がきつい感じがするんだけどなあ
万里子
どれ、どれ。ん、塩味に角がたってるわね!
そうなの。甘味料を使ってないからなんだって。
料子
料一
醤油に甘味料なんか要るのか?
お醤油だけじゃないのよ。ポテトチップスや塩せんべいなんかのお菓子でも、甘味料として、甘草が使われているのよ。
料子
甘草

甘草の根

料一
甘草って、漢方薬のあれか?
そう。それ自体は鎮痛剤や解毒剤、風邪薬などの薬になるけど、お薬の8割は、苦みを消すために甘草が使われてるの。
料子

甘草について

マメ科の多年草。中国北西部に自生。主成分のグリチルリチンは根や地下茎にを含まれ、甘さは砂糖の100~250倍ある。
日本では徳川幕府が栽培を奨励していたが、現在は100%輸入品です。

薬品として

筋痛、解熱、こむら返り、胃痙攣などに即効性があるとともに、去痰薬やせき止め、胃潰瘍などの生薬としても知られています。
また、なじみやすいため、薬の苦みを消す甘未材料としても使われています。

甘味料として

塩味の食品の塩角の不快感をとり、旨味を引き出す効果があるため、非常に広範囲に使われています。
醤油、みそ、つけもの、スナック菓子、たばこなどに配合されています。

万里子
ねえ、甘草って副作用があるんじゃないの?そんないろいろあったら、摂りすぎになって、害があるんじゃない。過剰摂取は高血圧症とか低カリウム血症になるって聞いたことがあるんだけど。
あのね、おかあさん。ある調査によると、1日の食品からの摂取量ってせいぜい0.368㎎なんだって。医薬品として、1日の最大配合量は200㎎なの。それ以上だと副作用に注意しなきゃいけないっていうこと。たとえば、べったら漬け。一本でグリチルリチン酸は102μgだから、約2000本食べなきゃ200㎎にはならないのよ。一日にそんな食べられるわけないでしょ。
料子
万里子
あら、そうね。
料一
薬を飲んでるときは、気を付ければいいんだよ。それにしても、この醤油惜しいな。香りもよくて、コクもあるのにな。
万里子
お砂糖を加えたらどうかしら。
料一
お、いいかもな。
お砂糖だと、劣化が早いんだって。
料子
次はおいしい醤油、貰ってきましょう。
優一

…一週間後

お父さん、います?
優一
料一
どうした?優一君
見つけたんですよ。美味しい醤油。金沢に出張してましてね、刺身を食べて「ん?」と思って、思わず舐めてなめてしまいましたよ。
優一
料一
醤油を?
これがその醤油です。買ってきたんです。ついでにお刺身も買ってきました。一杯やりませんか?
優一
料一
お、いいね。
あれから醤油の味が気になりましてね、醤油って当たり前すぎて、醤油は醤油だろうって思っていたんですけど、違うんです。
優一
料一
ん、甘味があるね。
万里子
私にも味見させて。あら、ほんと。なんかまろやかね。これが金沢の醤油なの?
おいしいでしょ。このほのかな甘さが甘草なんでしょうね。醤油って地域性があるみたいです。九州の人たちは、「関東の醤油はどうしてこんなに塩辛いんだ」って言うそうですから。
優一
料一
ほー。九州じゃ醤油が甘いのが当たり前ということか?
鹿児島がトップレベルの甘さらしいんですけどね。まあ、日本海側は総じて甘いらしいです。なんだか、いろいろ試してみたくなりますよね。
優一

甘い醤油が流行っている地域は?

全国に甘味料入りの醤油はありますが、石川県や福井県、富山県の旧加賀藩の一体は他の地域と比べて甘い醤油が作られ、親しまれています。
甘味料は、アミノ酸や砂糖、みりん、甘草、水飴、糖液などになります。甘草も甘味料として使われています。
また、さらに甘い醤油が好まれている地域が九州です。塩分の濃度も他の地域と醤油と比べて、低く、甘い甘口醤油が親しまれています。九州の甘口醤油はブリやカンパチなどの脂が多い魚の刺身との相性が抜群です。
九州や北陸に旅行する際は、醤油を気にしてみてはいかがでしょうか。

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